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sleeper send

3.16.2012

Local hero

池上彰って人の番組で、これからの日本の電気供給をどうするのかと言う企画をやっていた。この人のニュースはサルでもわかる程の解説でオモシロイ。
地熱や火力、埋蔵メタンやバイオ燃料、超科学に頼らない動力の紹介、しかもシステムの開発も資源埋蔵料も日本は世界的に見てトップクラスのキャパシティを秘めているんだと。小さな国なのに大した内容で、わかりやすいうえポジティブな見通しを感じた。

震災後、本当の意味での見直し、個人の価値観やモラルまでの改心、当たり前のことがそうじゃなくなり震災以前の感覚が一気に改められて、日本は境地に立っているのだと誰でもわかるようになった。
さらに政治家は強欲、メディアは虚像の固まりだったわけで、少なからず信用は個人の尺度でしか計れなくなったと思う。国民の精神状態をコントロールできるにまでアップデートされた、欲と嘘による電磁波によって日本は創られているように見えなくも無い。
そんな中“古館伊知郎”の本音が物議を生んでいるって話。良いのか悪いのかは知らんけど、自身の観念に嘘をつけないって部分がとても気持ちいい。
そんなふうに自身に忠実なことが叩かれる世の中、人生を革命に費やす日本人はほとんどいないし、海外のように反骨精神むき出しで統率する文化も今はない。
日本てのは実際、この状況下にアイドルブームなわけで、気持ち悪いアイドルオタクが標準人種。悲しいかな、こんなこと書いてるヤツの方がおかしいと思われそうだし、見る人から見ればあぶねぇのはオレってことになる。
それでも、震災後の感覚から新しいイデオロギーが構築され出来上がった教科書が、後の世代に伝わって行くわけだけど、政治家やメディアによって書き換えられたその内容は、さらに標準人種の曲がった感覚で作られるデザインで伝わっていく。

話は変わるけど、最近映画を見た。“ヒーロー”と呼べる登場人物がストーリーの暗雲を切り裂き、その後を想像させる光を残して終るタイプ。
子供の時など映画を見終わると、スグにその登場人物になりきるヤツがいたが、それは素直な気分の現れ、誰しもが持ってる感覚だと思う。小さい頃はヒーロー気分ならつらいことだって我慢できた。いつの年頃でもヒーローの活躍は気持ちいいもんで、今でも普段の生活に重ねて、混沌とする世の中にヒーローが登場して解決してはくれないだろうかと考える。
だから、テレビで見える言論主義者がわかりやすいヒーローになるし夢がある。池上さんも(オレじゃねぇ)古館さんも、嘘っぱちのメディアから人々を救うヒーローの一人かもしれない。ショッカーみたいな国家が間違えて生んでしまった仮面ライダーみたいなもんだ。
もちろん、きれいごとを言うことがヒーローの定義ではない。何でも無いただひとつの誠実さが、身近な誰でもをヒーローに変身させる。その存在がみんなに希望を与える。

人間を育てるのは人間だ。教科書じゃない。金に毒されたショッカーじゃない。そばにいる家族であり、友達であり自分だ。自分の尺度で認めた真実だ。
もちろん本当に育てることが出来るのは自分の子供くらいで、となりのオッサンをオレが叱り上げるってのは無理な話だ。人間を育てるってのは、どれだけ与えるかということより、どれだけ与えてもらうかって方が重要だとオレは思う。つまりは、どれだけ愛されるかだ。多くに愛される人間が多い程、社会は立派になる。まっすぐ生きてまっすぐ人の目を見るだけで、愛に囲まれるはずだ。

震災から1年。どこか心に闇を抱えたまま、ただ1年が過ぎてごめんなさい。
震災や原発事故のことが気になっていないワケではありませんが、自分のことに精一杯生きていました。電力に頼り、キレイな水で炊いた米を食って働いて、たまたま九州で生かされています。けっして裕福ではないけれど、生きていること自体に感謝し、一瞬の幸せが奇跡だと感じ生きています。
オレのヒーローは真実に忠実なフツーのあいつで、家族と仲間との小さな感動が原動力です。家族を失い希望を盗まれた人達に出来ることは、自分自身がリアルに生きること意外は無いのです。ひねくれた考え方ひとつを提示することも、この先の真実のヒーローを生み出す小さな要素になるようにと自分を磨く毎日です。
被災地の現状も知らないままに偉そうなことを言ってごめんなさい。被災地からたくさんのヒーローが生まれ、真実の日本が形成されることを願っています。